2024 年 3 巻 1 号 p. 1-10
2012年に供用を開始した東京ゲートブリッジ(TGB)では,供用100年以上の実現を目指して,当時,考えられる最新の設計法や建設材料が採用された.また,高度な維持管理の実現に資する方策として,主橋梁部にモニタリングシステムが導入された.モニタリングの目的は,1)交通規制情報の収集,2)支承の管理,3)鋼床版の累積疲労損傷度の推定,4)地震時の点検の効率化である.本稿では,TGB主橋梁部のモニタリングのうち,2)支承の管理と3)鋼床版の累積疲労損傷度に関する計測結果を紹介し,これまでの実施状況から考えられるモニタリングの継続に係る運用面や技術面の課題について述べる.