2024 年 3 巻 1 号 p. 11-20
本研究では,バラスト軌道における機械化施工の推進を目的として,最適保守管理システムを構築した.各種検査データを統合した不良箇所リストの作成,軌道の劣化予測モデルの構築,施工箇所の選定指標を策定した.各種検査データからキロ程情報を基に不良箇所リストを自動作成することで,不良原因及び最適な施工方法の検討が容易になった.また,機械学習を用いた軌道劣化予測モデルにより3カ月後の軌道変位を基に優先順位を策定した.さらに,軌陸BHを用いた道床つき固め作業の施工箇所の選定において,最適化問題を定量的指標により評価することで最適な施工箇所を抽出した.その結果,不良箇所の抽出から施工箇所の選定までの一連の業務をシステム化し,年間で440時間の業務効率化及び,定量的な指標に基づいた施工により機械化施工の推進に繋がった.