2024 年 3 巻 1 号 p. 81-89
センサと無線伝送を活用した橋梁ヘルスモニタリングの課題の一つに電力確保がある.振動発電はその解決策になり得るが,実橋において振動発電デバイスが効率的に発電できる設置位置を短時間で選定することは困難である.そこで本研究では,固有振動解析によりターゲットとする振動モードおよび振動発電デバイスの設置位置候補を抽出したあと,試験車走行試験を行い,光学振動計測技術を用いて,設置位置候補の中から効率的な発電ができる設置位置の検討を行った.また,同時に,本研究で用いた光学振動計測技術の本橋梁部材への適用性について明らかにした.さらに,本技術により抽出した設置位置で計測された加速度波形を用いて室内にて起振機試験を行い,振動発電デバイスの発電量を評価した.