2024 年 3 巻 1 号 p. 72-80
本研究では,福井県の山間部に位置する複合劣化を受けた実橋梁の鋼板接着補強RC床版を対象として,樹脂注入と舗装の打換えによる補修前後に行った小型FWDを用いた衝撃荷重載荷試験および数値解析からコンクリートの静弾性係数を推定し,補修の効果を評価した.その結果,樹脂注入・舗装打換え前後において,衝撃荷重載荷試験の結果を比較したところ,静弾性係数の推定値は増加し,樹脂注入による補修効果が確認された.また,衝撃荷重から静的荷重に変換する荷重変換係数を用いて,さらに,小型FWDを用いた衝撃荷重載荷試験と有限要素モデルを用いた構造解析により,コンクリート床版の劣化状態を静弾性係数の推定値により評価した.