青函トンネルは, 本州方の青森県と北海道を結ぶ総延長53.85kmの長大海底トンネルである(図-1). 1964年1月に日本国有鉄道が北海道方にある吉岡調査斜坑の掘削に着手, 同年3月に日本鉄道建設公団(以下, 鉄道公団)が事業を継承し, 24年の歳月を経て1988年3月13日に津軽海峡線の一部として, 世紀のビッグプロジェクトであった青函トンネルの供用が開始された.
その後, 2016年3月26日の北海道新幹線(新青森・新函館北斗間)の開業にともない、世界でもあまり例のない3線軌による新幹線と在来線の共用走行を行っている.
青函トンネルは, 開業から36年が経過した現在, 本州と北海道を結ぶ重要幹線として安定した輸送を確保しており, 極めて重要な国民の財産である. 本稿では、青函トンネルの維持管理について述べる.