2005 年 2005 巻 781 号 p. 781_133-781_143
本論文は, 軽量で吸水率の大きい秋田県産火山礫を用いたポーラスコンクリートの基礎物性とヒートアイランド現象を抑制する機能を評価する指標, 適切な配合および温度低減効果を普通コンクリートと比較した上で明らかにしたものである. このコンクリートの単位容積質量は, 普通コンクリートの1/2以下であり, 圧縮強度は2N/mm2と低強度であるが, 乾湿繰り返しによる耐久性の低下は明確には認められなかった. 放水率の経時変化から求められる初期放水速度が最大となるペースト粗骨材容積比の存在が認められ, この配合を用いた平版の屋外暴露試験を実施した結果, 断面中心温度および平版表面の気温が普通コンクリートより1~9℃低く, 気化潜熱に起因する気温低減効果を有することを熱収支計算により明らかにした.