2005 年 2005 巻 784 号 p. 784_205-784_216
一般に, 深層混合処理工法により改良された地盤は長期間に渡ってその品質を保持できると考えられている. しかしながら, 本工法は1975年頃に実用化され, まだ長期に渡る追跡調査事例が乏しいことから, その諸特性の長期的な経年変化は明らかとなっていない. 本論文では, この改良地盤の劣化現象のひとつとして「Ca溶脱」を取り上げ, その数値解析的予測手法を構築することを目的とした. 本予測手法は, (1) 共存イオンの影響を考慮したイオン移動モデル, (2) 周辺粘土でのCa吸着モデル, (3) 水和物からのCa溶解モデルおよび (4) 改良地盤での炭酸化モデルから構成されている. 本論文の結果, 深層混合処理により改良された地盤からのCa溶脱に関する数値解析的予測手法が提案でき, その妥当性が確認された.