2005 年 2005 巻 784 号 p. 784_45-784_64
東京都水道局が管理する山口貯水池 (1934年完成) では, レベル2地震動を対象にしたアースフィルダムの耐震補強工事を実施した. 当工事はフィルダムリニューアルに位置付けられ, 施工中の既設堤体の安定性確保が, 従来のフィルダム新設工事では直面しなかった新たな施工技術的課題である. このため, 施工管理上の対策として施工中の堤体安定性に着目した情報化施工管理手法を提案し, 堤体の安定性を定量的に評価しながら施工を進めることとした. この提案した情報化施工管理手法を約3年間に亘って適用して施工を進めた結果, 無事に施工を完了した. 本文では, 既設アースフィルダムの耐震補強工事において, 堤体安定性に着目した情報化施工管理を適用した事例について報告する.