抄録
本研究では連続水素発酵における混合ミクロフローラの微生物と水素生産性との関係を調べることを目的として, グルコースを基質とした同一条件下で, 5つの異なる植種微生物源 (消化汚泥, 活性汚泥, サイロ爆発を起こした大豆粕, コンポスト, 熱処理消化汚泥) を用いた連続実験を行った. 水素生成および代謝産物は植種微生物源の違いによって明らか差が見られた. また, 馴養過程における微生物群集の構造解析にPCR-DGGE法を適用し, DGGEバンドの塩基配列を解読した結果, 高い水素収率の得られた系ではClostridium acetobutylicumとClostridium pasteurianumが関わっていることが示唆された.