2005 年 2005 巻 794 号 p. 794_253-794_266
兵庫県南部地震で鋼製支承の橋梁に大きな損傷を生じたことから免震支承の有効性があらためて認識され, 免震ゴム支承は全国的に普及しつつある. 免震ゴム支承の長期間に及ぶ使用実績が少ないため, 信頼性の高い劣化特性の把握が望まれている. そこで, 橋梁の性能照査型設計で地域特性や設置環境を考慮できる免震支承用ゴムの劣化特性予測を可能とするための基礎的研究を行った. 劣化による材料特性値変化の基礎データ取得を目的とし, 免震支承用ゴムの種々の環境条件下での長期的な環境促進実験を行った. 実験条件には免震支承用ゴムの主要な劣化要因として認識されている熱酸化劣化, オゾン劣化, 光劣化, 海岸地域での飛来塩分や酸性雨の劣化環境を設定し, 有効な基礎データを得た.