抄録
軟弱地盤を深層混合処理工法により改良して複合地盤を形成し, この複合地盤強度を杭の水平抵抗に反映させる設計法を実用化した. この設計法では, 杭の水平抵抗の影響範囲, すなわち地盤改良の必要範囲を杭の特性長1/βの深さから受動土圧の作用勾配θ=(45°+φ/2) で立ち上げた領域とした. また, 杭の水平地盤反力は複合地盤の変形係数から導いた. 実際の複合地盤での杭水平載荷試験から, 設計通りの水平抵抗が得られることを確認し, 上記設定の妥当性を確認した. さらに, 複合地盤と原地盤の強度の違いが杭に及ぼす影響を静的および動的有限要素法により検討したが, いずれにおいても問題がなかった. この工法を実際の橋台基礎の設計に適用すると, 従来工法に較べて大きくコストが縮減されることがわかった.