抄録
港湾構造物の裏込めに用いられた高炉水砕スラグは硬化する傾向にあるため, 硬化することを前提とした施工をすることが考えられている. この場合, どのような過程を経て硬化するかという点を明らかにすることが必要となる. そこで, 高炉水砕スラグを岸壁の裏込めに用いた現場において, 施工後18ヶ月間にわたり, 地盤調査及び水質調査を行った. その結果, 硬化過程での高炉水砕スラグの強度は極めてばらつきが大きいが, マクロに見ることにより硬化領域が広がっていくと考えることが望ましいことがわかった. また, 18ヵ月後において70%程度の領域が硬化していたこと, 硬化領域は今後とも広がりそうなことがわかった. また, 硬化進展時の裏込めの地下水環境が明らかとなった.