2005 年 2005 巻 803 号 p. 803_91-803_104
本研究では, 比較的簡易に得られる植生情報を用いて, 実務レベルにおける平面二次元数値解析モデルの精度向上を図り, 今後の河川管理に役立てようとするものである. 既往の水理解析モデルが植生の影響を粗度で評価しているのに対して, 本研究では, 木本類に対して適用されている既往の植生抵抗モデルを草本類に適用し, 冠水を伴う植生の倒伏状況も考慮できるモデルを提案する. 具体的には, 植生密生度を高木林, 低木林, 竹林, 草本に区分して求め, 草本の抗力係数に対しては, 倒伏度合が直立, 1/2倒伏, 1/4倒伏で茎の断面抵抗が減少するものと考えてモデルの再構築を図った. その結果, 近年旭川で実際に経験した洪水における痕跡水位や流況と比較して, 本モデルの妥当性及び有用性が高まることが確認された.