抄録
橋脚まわりの捨石洗掘防止工は, 古くから使用されてきたにもかかわらず, 水理学的考察に基づいて捨石洗掘防止工を取扱った研究は少なく, さらに, これに対する研究のほとんどは Terzaghi の逆フィルターの概念を用いた研究である. 本研究は, 明石海峡大橋の捨石洗掘防止工の検討を契機として, 捨石工内に発生する浸透流に着目して, 水理学的な根拠が明確で実用的な設計手法を確立することを目的として始めた. 本論文では1. 実験, 数値計算, 現地計測結果に基づいた捨石工内の浸透流速の予測手法 2. 1の結果と捨石下の底質の安定重量とを対比した捨石工の層厚, 内層の粒径, 敷設範囲の設計手法を検討し、捨石洗掘防止工の実用的な設計手法を提案した.