土木学会論文集
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1995 巻, 521 号
選択された号の論文の24件中1~24を表示しています
  • 栗城 稔
    1995 年1995 巻521 号 p. 1-12
    発行日: 1995/08/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
  • 沖 大幹, 虫明 功臣, 松山 洋, 増田 耕一
    1995 年1995 巻521 号 p. 13-27
    発行日: 1995/08/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    大気柱の水収支から年水蒸気収束量はほぼ年降水量-年蒸発量に等しくなる. この情報を利用し, 従来の流域水収支と結び付けると流出量や蒸発量, 流域貯留量の変化などを算定することができる. この様な水収支解析手法 (大気水収支法) により地球規模の水循環と水収支を明らかにした. まず, 流量データによって水蒸気収束量の精度を検討した上で, 全球の降水量推定値や河川流量データと組み合わせて蒸発量や流域貯留量の分布を地球規模で明らかにした. また, 海洋間の淡水輸送状況や, 地球規模での水の南北輸送における河川の役割の重要性も示された. この様に大気水収支法は地球規模の水収支と水循環とを算定する有力な手法であり, 今後のデータ整備にともないそれらの変動のモニタリングにも利用できるものと期待される.
  • 和田 安彦, 三浦 浩之
    1995 年1995 巻521 号 p. 29-38
    発行日: 1995/08/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    透水性舗装の雨水流出抑制効果を定量的に評価するため, 水を降雨状に散水できる散水装置を用いた数十回に及ぶ現場浸透実験と解析を実施した. これより透水性舗装における雨水浸透速度は舗装の間隙量と透水性により決まり, 舗装面への湛水は浸透速度を増加させることが明らかになった. また, 透水性舗装に浸透連結管を付加することにより, 透水性舗装の最終浸透能を5mm/hr程度は向上できた. 施設の浸透機構を考察し, これに基づいて透水性舗装の雨水流出抑制効果を定量評価できる浸透・流出シミュレーションモデルを構築した. このモデルを用いて浸透連結管を付加した透水性舗装を都市域に整備した場合の流出抑制効果を定量評価し, 浸透連結管を付加すれば, 透水性舗装を都市域の雨水排除計画に組み入れることが可能になることを示した.
  • 和田 安彦, 三浦 浩之
    1995 年1995 巻521 号 p. 39-48
    発行日: 1995/08/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    近年の河川汚濁の原因として生活雑排水の未処理放流や単独処理浄化槽放流水に起因する負荷の割合が高くなっていることが指摘されている. また, 降雨時には都市域を中心としたノンポイント汚染源負荷が多量に発生し, 水環境の管理を適切に行うためにはこれらの影響は無視できなくなっている.
    そこで我々は, これらノンポイント汚染源負荷の影響を考慮した「流域水環境評価シミュレーションモデル」を構築した. 本モデルでは, 下水道や浄化槽整備後の河川流下方向の水質結果表示の外, 河川の任意点における年間にわたっての水質変化予測など様々な側面から水環境管理が行える特徴を持つ.
  • 玉井 昌宏, 村岡 浩爾, 清水 一博
    1995 年1995 巻521 号 p. 49-58
    発行日: 1995/08/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    平均流動の変化を介さない固体粒子と乱流との直接的な相互作用の定量化のために, 粒子を一様に沈降させることにより誘起される乱流場と振動格子乱流との相互作用に関する水理実験ならびに数値計算を実施した. 水理実験により, 従来より指摘されてきた乱流強度の抑制増幅の変調が振動格子乱流場においても生じること, 粒子混入により乱流強度が異方的に変調されることなどが明らかになった. Parthasarathy et al. の理論を基礎として, 直接的相互作用に関わる諸項を誘導した. 同項をレイノルズ応力モデルに導入することにより, 実験結果の傾向を良好に予測した.
  • 〓川 登, 片山 能輔, 秋元 賢吾, 根本 浩史
    1995 年1995 巻521 号 p. 59-68
    発行日: 1995/08/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    河川における物質濃度を求めるための支配方程式である水質方程式の特性曲線法に基づく数値計算法を提案する. 本論文で提案する水質の数値計算法は, 特性曲線に沿って, すなわち, 河川水とともに移動しながら濃度の変化を追跡するもので, 数値拡散による誤差を生じない計算法である.
  • 清水 康行
    1995 年1995 巻521 号 p. 69-78
    発行日: 1995/08/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    本研究では河川の長期的な河床および河床材料の縦断分布形状を計算するための掃流砂および浮遊砂を含み, 支川からの供給土砂をも考慮したモデルの開発を行った. このモデルを用いて大小様々な一定流量に対応する安定状態を検討した結果, 流量の違いによって河床材料の縦断分布特性が大きく異なるという興味深い現象が示された. さらに, 過去の日流量の繰り返しを与えることにより実際の石狩川の縦断形状および粒度分布特性が予測可能であることが示されるとともに河道の形成のメカニズムに関する様々な事実が明らかになり, 実河川の長期的な縦断形状および河床材料の縦断分布形状を予測するための有効な手段が提案された.
  • 泉 典洋, Gary Parker
    1995 年1995 巻521 号 p. 79-91
    発行日: 1995/08/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    斜面下流端のステップ近傍で発生したガリは上流側へ向かって水路へと発達しながら複雑なチャンネルネットワークを形作っていく. 本研究では発生初期のガリの発達メカニズムを調べるために, 下流端にステップが存在する緩やかな一様勾配斜面を考え, そのステップにサイン形状を有する斜面方向の微小擾乱を与えたときの斜面上の流速分布及び水面形状を浅水流方程式を特異摂動法を用いて解くことによって求めた. それによると擾乱の影響が顕著な下流端近傍の薄い層内では降雨およびレイノルズ応力の影響は無視できることがわかった. また計算によって, 上流方向にくぼんだ部分に流れが集中する様子を再現でき, それらの結果に限界掃流力を用いた水路の初期形成仮説を適用した結果, (水深/斜面勾配) 程度のオーダーの卓越波長が得られた.
  • 杉原 裕司, 松永 信博, 増田 章, 小松 利光
    1995 年1995 巻521 号 p. 93-100
    発行日: 1995/08/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    乱れの拡散と散逸がバランスした乱流場と見なせる振動格子乱流に対し, 標準型k-εモデルの有効性を検証する研究を行った. そのような乱流場を記述する非線形k-ε方程式を解くことによって, 乱れエネルギー, エネルギー散逸率, 乱れエネルギーフラックス, 渦動粘性係数および乱れの代表長さスケールの厳密解を求めた. これらの厳密解から予測される乱流特性量間の関係を実験値から検証することにより, モデルの有効性を示した. 厳密解にはモデル定数および圧力動揺項と変動流速の3重相関項の比からつくられる3つのモデルパラメータが含まれており, これらの値を実験値から直接推定した. 推定値は, モデル定数の標準値から計算されるものと一致し, モデル定数の妥当性が検証された. 圧力動揺項の3重相関項に対する比は-0.49であった.
  • 後藤 仁志, 酒井 哲郎
    1995 年1995 巻521 号 p. 101-112
    発行日: 1995/08/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    シートフロー状漂砂では砂粒子が近接した状況で流送されるため, その流動機構を論じるには粒子間干渉の適切な評価が鍵となる. 本研究では頻繁な砂粒子間の干渉を繰り返しながら流送される砂粒子群の運動を個別要素法を用いて追跡し, 砂粒子の平均移動速度分布や移動速度の変動強度についてのシミュレーションデータを収集する. さらに, 砂粒子群の挙動の瞬間像や移動軌跡の追跡結果などを通じて, 砂粒子間衝突がシートフロー層内の運動量輸送に果たす役割を明らかにし, シートフロー状漂砂の流動機構について考察する. 最後に, シミュレーシヨン結果をまとめて, 漂砂量を推定し, 既往の実験値と比較する.
  • 佐藤 愼司
    1995 年1995 巻521 号 p. 113-122
    発行日: 1995/08/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    新潟海岸と石川海岸の水深15mの地点で観測された波・流れの連続記録を解析した. いずれの海岸においても, 低気圧が通過し強風が継続した後に, 海岸付近の平均水位が上昇し, 海岸に沿う向きの強い流れが観測された. 流れの流速は, 気圧, 平均水位, 風速と相関が高く, これらとは3~20時間の時間遅れが認められた. 鉛直方向に積分した運動量方程式を用いて数値実験を行った結果, これらの流れは主として風応力とコリオリカによって維持されていることがわかった.
  • 石野 和男, 大谷 英夫, 勝井 秀博
    1995 年1995 巻521 号 p. 123-133
    発行日: 1995/08/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    橋脚まわりの捨石洗掘防止工は, 古くから使用されてきたにもかかわらず, 水理学的考察に基づいて捨石洗掘防止工を取扱った研究は少なく, さらに, これに対する研究のほとんどは Terzaghi の逆フィルターの概念を用いた研究である. 本研究は, 明石海峡大橋の捨石洗掘防止工の検討を契機として, 捨石工内に発生する浸透流に着目して, 水理学的な根拠が明確で実用的な設計手法を確立することを目的として始めた. 本論文では1. 実験, 数値計算, 現地計測結果に基づいた捨石工内の浸透流速の予測手法 2. 1の結果と捨石下の底質の安定重量とを対比した捨石工の層厚, 内層の粒径, 敷設範囲の設計手法を検討し、捨石洗掘防止工の実用的な設計手法を提案した.
  • 佐藤 愼司, 田中 茂信, 野口 賢二, 山本 幸次
    1995 年1995 巻521 号 p. 135-144
    発行日: 1995/08/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    砕波点やや沖の底面付近で水粒子速度と浮遊砂濃度を計測した. うねり成分に風浪が重なった条件で取得した1時間の連続記録を解析した結果, 浮遊砂濃度の長周期成分は, 入射波のエネルギー変動と密接に対応しており, 沖向きの浮遊砂輸送に貢献していることがわかった. また, 個々の波の前傾度を考慮して底面摩擦力と砂地盤内の間隙水圧変動を評価したところ, 個々の波による底質の巻き上げは, 直前の波の底面摩擦力との相関が高く, 間隙水圧変動との相関は明瞭でなかった. 浮遊砂濃度の長周期成分は一次元の拡散方程式を用いたモデルで評価できることがわかった.
  • 斎藤 祐二, 副島 敬道, 友沢 孝, 土肥 義治, 紀谷 文樹
    1995 年1995 巻521 号 p. 145-154
    発行日: 1995/08/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    標準活性汚泥および嫌気好大式活性汚泥を用いる揮発性低級脂肪酸 (VFA) からのポリヒドロキシアルカノエイト (PHA) の生産を検討した. 嫌気好気式活性汚泥は, 酢酸から吉草酸までのVFAから, 2から4のユニットで構成される共重合体を乾燥汚泥重量当たり7.8から18.2wt%の高い含量で合成した. さらに, 嫌気好大式活性汚泥は酢酸を含む排水から, 培養6から12時間内に炭素数4, 5, 9, 10のユニットで構成される共重合体を40wt%以上の高い転換率で合成した. これらの結果から, 嫌気好気式活性汚泥を用いたPHA生産型排水処理の構築の可能性が示唆された.
  • 中村 裕紀, 江森 弘祥, 竹島 正, 田中 和博
    1995 年1995 巻521 号 p. 155-162
    発行日: 1995/08/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    硝化促進型循環変法における浮遊汚泥の脱窒性能に及ぼす有機物負荷 (BOD-SS負荷) と水温の影響を検討した. 単位汚泥量あたりの脱窒速度KDNは, 汚泥内に蓄積される有機物量Aとその代謝速度定数κの積に比例する式KDN=(k/m)・A(mは定数) で表現できる. 水温が12~27℃の範囲においては水温が低いほどκが小さくなり, その結果としてAが増加するためKDNはあまり変化しない. 一方, Aは有機物負荷にほぼ比例するため, KDNは有機物負荷にほぼ比例するとみなせることが明らかになった.
  • 城田 久岳, 浮田 正夫, 中西 弘
    1995 年1995 巻521 号 p. 163-172
    発行日: 1995/08/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    自然生態系に悪影響を与えないようにモノを生産, 流通, 消費および廃棄することを目指した経済システムを生態学的経済システムとし, その経済システムの下で決まる製品の価格を生態学的価格と定義した. 本研究ではケーススタディとして紙の生態学的価格の試算を行った. 資源および環境について生態学的に適切な管理目標を設定し, 原木価格, エネルギー費用, 公害防止費用, 産業廃棄物処理費用および紙ごみ処理費用について検討した. その結果, 紙の生態学的価格は現在の価格の約2.6倍になることが推定された. また, 再生紙と処女紙の生態学的価格の比較より, 再生紙が環境にとって好ましいと総合的に評価された.
  • 張 振家, 深川 勝之, 浮田 正夫, 中西 弘
    1995 年1995 巻521 号 p. 173-180
    発行日: 1995/08/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    UASB法により魚類食品工場の濃厚醤油廃水を処理するにあたって, スタートアップおよびグラニュールの細菌相構造について研究を行った. 用いたグラニュール種汚泥はグルコースを主成分とする合成廃水で培養したものであった. スタートアップが完成した後には, 温度35℃, TOC負荷10~12kg.m-3.d-1の運転条件においてTOCおよび脂質の除去率がそれぞれ60~70%および30~50%程度であった. 人為的な撹拌を行わない条件下では, スラッジベッドの高さ方向でグラニュールの構造が異なり, 上部のグラニュールは主に Methanothrix sp. 細菌にようて構成されているのに対して, 下部のグラニュールでは多層構造が見られ, その表層は主に球菌と短桿菌, 中心部分はほとんどMethanothrix sp. であることが分かった.
  • 平山 公明, 松尾 友矩, 今岡 正美, 平山 けい子
    1995 年1995 巻521 号 p. 181-191
    発行日: 1995/08/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    これまでに開水路で測定された酸素移動係数の値を整理し, 酸素移動係数と水面付近の乱れパラメータの関係を検討した. 乱れパラメータは水深や摩擦速度などのマクロな水理量から推定した.
    実験水路での測定結果を中心に考察したが, 再ばっ気現象に対するエネルギー逸散率モデルと乱れ強度モデルの適用性の比較をおこない, 乱れ強度モデルの有効性を示した. また, 自然河川を含む開水路の測定結果は, およそ3つのグループに分けられることを指摘した. そして, 撹拌槽での測定結果との比較もふまえて, 乱れ強度モデルにもとづいた, 河川での再ばっ気係数を求めるための関係式を導いた.
  • 中村 修, 迫 秋一, 河村 明, 小松 利光
    1995 年1995 巻521 号 p. 193-205
    発行日: 1995/08/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    本稿は, 貯水池群操作において流入量などが確定的に想定されうる基本的問題に対して, 微分動的計画法に基づく2次の渇水被害関数を主要コスト関数とする貯水池群最適操作量の数値計算法を開発し, それについて述べたものである. この方法では, 一次元探索付 Newton 法による微分動的計画法と特異制御問題に対処するためのペナルティ関数法を組合わせて, 比較的多期にわたる貯水池群最適操作量決定の数値計算法を構成している.
  • 中村 俊六, 和田 清
    1995 年1995 巻521 号 p. 207-215
    発行日: 1995/08/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    全幅越流型の階段式魚道 (切り欠き無し, 交互潜孔付き) において最大波高約1mの横波が発生した. その原因, あるいは水理学的メカニズムを調べ, 対策を施すための現地調査を実施した. その結果, 発生した横波は, 魚道がカーブしている区間で顕在化した静振 (セイシュ) が, 越流形式での伝播中に増幅されるとともに, ビート現象を伴ったものであると判断された. 横波防止のために, 隔壁中央に非越流部を設け, 隔壁をアイスハーバー型化する策を実施して成功した.
  • 九津見 生哲, 小川 義忠, 中村 俊六, 久保田 稔
    1995 年1995 巻521 号 p. 217-225
    発行日: 1995/08/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    狭窄部の直上流に氾濫原を持つ天竜川上流部の河床変動計算に非平衡浮遊砂モデルの導入を試みた. 大規模出水を対象とし, 実測のハイドログラフに基づく不等流計算により断面平均流速を計算し, 氾濫原以外は単断面河道として, 非平衡性を考慮しない一次元河床変動解析を行った. 氾濫原においては, 主流部と氾濫区域とに領域を区分して, 各領域毎に既存の非平衡浮遊砂量式を用いた一次元解析を行った. 計算に使用する河床粒度組成, 平衡状態から非平衡状態へ移行する流量の設定, 浮遊砂・掃流砂層の取り扱いなどに工夫すれば, 出水後の河床縦断および氾濫原における堆砂量をかなりの精度で予測できることが明らかとなった.
  • 冨永 晃宏, 劉 建, 長尾 正志
    1995 年1995 巻521 号 p. 227-237
    発行日: 1995/08/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    種々の粗度間隔を有する桟粗度上の開水路流の乱流構造を自由水面の影響も計算に取り入れた低レイノルズ数k-εモデルを用いて数値計算を行い, 粗度間隔に対する乱れ構造の応答を予測した. 計算値と実験値の一致はおおむね良好であり, 流速分布は乱れせん断応力や抵抗係数よりも良く一致した. 乱れ運動エネルギーは桟粗度の上流側の角付近で大きな値を取ることがわかった. また, 粗度間隔の減少にしたがい, 流れの相互作用が強くなることが示された.
  • ゴーシュ サム
    1995 年1995 巻521 号 p. 239-248
    発行日: 1995/08/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    近年, アメリカは深刻な環境問題に直面している. 新しいタイプの汚染物質は地下水圏そして大気圏へと浸透しており, 水や空気の汚染が進むことで世界規模の気象や日常生活が脅かされ始めている. 生物学的プロセス, 特に嫌気性消化法は有機性排水の安定化に対して, 有毒排水の無害化・地球温暖化の調整・汚染物質からのエネルギー回収等の重要な役割を担っている. ここでは、アメリカにおける現在の環境問題の解決に対して嫌気性消化法の中で特に二相嫌気性消化法が果たすべき役割について検討を行った.
  • 劉 軍, 浮田 正夫, 中西 弘, 今井 剛, 深川 勝之
    1995 年1995 巻521 号 p. 249-255
    発行日: 1995/08/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    ラボラトリープラントの実験結果をもとに簡単化された動力学的モデルを構築し, 計算値と実測値の比較からその有用性について検討を行った. さらに動力学的解析を通してパイロットプラントの合理的な設計条件に関する検討を行った. 実測値とモデルによる計算結果はほぽ一致し, 本モデルの妥当性が示された. 本モデルによる流入基質濃度が5.5~7.39-COD/l (難分解性有機物0.469-COD/lを含む) の実処理プラントの合理的な設計条件の設定およびその性能評価を行うことができ, 本モデルは工学的な有用性を有すると考えられる.
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