抄録
粘性土地盤の非排水強度を決定する方法の一つとして, 我が国ではいわゆる“乱さない”試料による一軸圧縮試験が広く行われている. しかし, 試料採取から室内試験に至るまでの過程で試料が受ける応力解放や乱れの影響で, 試験結果にしばしば大きなばらつきを生じる. 本研究は, 原位置の応力状態から一軸圧縮試験に至る過程を三軸試験機内でシミュレートした実験を行い, 一軸圧縮試験と並行して供試体に働くサクションを測定することによって粘性土試料の乱れの程度を評価可能であることを示すとともに, 一軸圧縮試験結果を用いた原位置非排水強度の推定方法を提案したものである.