1996 年 1996 巻 543 号 p. 19-30
一様気流中におかれた橋梁断面に作用する動的空気力は桁の状態量 (速度, 変位) で表すことが多い. そのために動的空気力係数は風速, 振動数の関数となり, 周波数領域の解析を強いられる欠点がある. 本研究では, 拡張変数を導入して定数系の微分方提式で空気力を表す有理関数近似法の橋梁断面への適用を検討している. (1) 最小二乗法と最小状態量法を適用し. 後者の方が拡張変数の数が少なくてすむこと, (2) 翼形断面の場合は, 拡張変数が1つ, 偏平箱桁では2つ, トラス断面では3つ程度導入すれば精度よく動的空気力を表現でき, フラッター限界風速も精度よく予測できることを明らかにしている.