1996 年 1996 巻 544 号 p. 205-221
本研究は, RC橋脚や柱を対象とし, 理論的な根拠に基づいた終局限界状態の定義を行うこと, およびその終局限界状態に対する安全性の尺度である損傷度指標を提案することを目的としたものである. 本研究では, 地震荷重を受けたRC構造の終局限界状態を曲げとせん断に大別し, 曲げによる終局限界状態を軸方向鉄筋のはらみ出し (座屈) で, せん断による終局限界状態をせん断補強筋の降伏で定義し, モデル化を行った. 次いで, それぞれの終局限界状態の定義に基づいて損傷度指標の提案, 既往の研究の実験データによる損傷度指標の検証等を行い, さらに損傷度指標の耐震設計への適用法を示した.