土木学会論文集
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高土被りトンネルへの高強度吹付けコンクリートの適用に関する一考察
岡林 信行田沢 雄二郎松川 久俊今田 徹
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1996 年 1996 巻 546 号 p. 145-156

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抄録

最大土被り900mに達するトンネル工事において, 土被り400mを越えた区間より著しい支保の変状が生じ始めた. 土被り600m以奥では計画時の標準支保パターンでは更に大きな変状の発生が予想されたため, トンネル支保工に高強度吹付けコンクリートを含む特殊支保パターンを採用した. 採用に当たっては, 計測データを用いた逆解析的な弾塑性解析により地山特性曲線, 土被りごとの変位及び必要支保圧を算定し, それに見合う支保パターンを設定した. これらの適用区間は約1,000mにも及んだ.
その結果, 中硬岩地質からなる高土被りトンネルにおいても特に大きな変状も無くトンネルを構築でき, 高強度吹付けコンクリートを用いるトンネル支保工に関する設計・施工上の多くの知見を得た.

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