土木学会論文集
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1996 巻, 546 号
選択された号の論文の18件中1~18を表示しています
  • 横山 功一
    1996 年1996 巻546 号 p. 1-12
    発行日: 1996/09/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
  • 黒田 重徳
    1996 年1996 巻546 号 p. 13-22
    発行日: 1996/09/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    ダム貯水池流木の炭化窯として伝統的土窯の大型化を図ろうとする場合, 炭化過程における窯の熱膨張そして収縮の繰り返し履歴による材料のひび割れ, 剥離, 劣化等に対する構造的安定や耐久性などが懸念される. そこで, 本文では炭窯の材料特性と熱伝導性それに伴う熱応力・変位挙動を定量的に予測検討し, 窯の規模拡大に伴う設計上の課題と対策に言及する. その施工例として「奥只見大窯」の機能性と稼働時の挙動について検討し, 解析的考察ならびに設計・施工の妥当性について検証する.
  • 塩見 雅樹, 金沢 寛, 稲田 雅裕, 福田 直三
    1996 年1996 巻546 号 p. 23-37
    発行日: 1996/09/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    近年の航空輸送需要の増大に伴い, 我が国では各地で空港の建設が行われている. 東京国際空港沖合展開事業においては, 廃棄物処分場跡地を空港用地とする超軟弱地盤上の空港建設であることを始めとして, 多くの制約条件の下に地盤改良を行う必要があり, 設計・施工上における各種の工夫を行うことによって基盤造成を完了することができた. 本報告では, 軟弱地盤上の空港建設における地盤工学上の課題を整理するとともに, 特に厳しい施工環境にあった第III期地区における地盤改良の整備水準の考え方並びに地盤改良において工夫した設計・施工における対応策の考え方を示し, また, 動態観測結果による地盤改良効果について概要を示した.
  • 浜田 賢二, 山中 光雄, 中井 修, 山下 武広, 清水 則一, 中川 浩二
    1996 年1996 巻546 号 p. 39-49
    発行日: 1996/09/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    潮位観測は, 港湾の工事や測量に不可欠な調査項目であるが, 検潮所の設置には制約があり, 流れが複雑に変化する海域や沖合いのデータ取得には必ずしも十分には対応できないのが現状である.
    そこでGPSを応用して面的な海域の潮位観測を行う総合潮位観測システムの開発を最終目標として, これに必要な基礎的要素技術であるGPS潮位観測技術と海上潮位観測に適用される船舶の動揺補正技術の開発を行った.
    これらに対する実海域実験等を行った結果, GPSシステムの広域かつ正確な潮位観測への適用性, および船体動揺補正システムの有効性が確認された.
  • 横田 季彦, 小島 朗史, 小泉 哲也, 渋山 晴夫, 住吉 正信
    1996 年1996 巻546 号 p. 51-62
    発行日: 1996/09/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    大阪南港トンネルは沈埋工法によつて建設されている. この沈埋函は鋼・コンクリート合成構造方式を採用しているが, 部材寸法が1mを超えるマスコンクリートであるため, 製作時においては温度応力によるひび割れの発生が懸念された. このため, 温度応力の低減を目的として低発熱セメントを使用するなどの対策を講じるほか, 各種計測器を用いて温度応力計測を実施し, 計測結果の次施工へのフィードバックを行った. 本報文では, 全10函のうち施工時期が異なる2号函および5号函における温度応力計測結果と温度ひび割れの調査結果について述べ, 鋼・コンクリート合成構造におけるマスコンクリート温度応力挙動の特徴について検討を行ったものである.
  • 浜田 賢二, 福森 利夫, 中井 修, 林 忠夫, 清水 則一, 中川 浩二
    1996 年1996 巻546 号 p. 63-75
    発行日: 1996/09/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    GPS海上測位技術を関門地区のほぼ全海域に普及させるため, 筆者らがこれまでに開発したGPS海上測位システムをさらに高度化し, その測位性能と信頼性の向上を図った.
    高精度かつ確実なリアルタイム海上測位のためには, 基準局・移動局間の無線通信と整数値バイアスを決定する初期化の性能向上が不可欠であり, このために無線通信アンテナを改良するとともに通信エラー訂正機能を追加して無線通信システムを高度化し, また2周波方式オンザフライ初期化技術も導入した.
    関門海域においてこの高度化実用測位システムの現地実験を行った結果, 高度化された測位性能, 現地への適用上問題となる関門橋の影響範囲等が明らかになった.
  • 前田 良刀, 森山 陽一, 黒江 一郎, 崎本 純治, 伊藤 政人
    1996 年1996 巻546 号 p. 77-86
    発行日: 1996/09/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    壁基礎は, フーチングの無い長方形充実断面の一枚壁状基礎であり, 掘削残土量が削減でき, 近接施工にも有利となる. この壁基礎を第二東海自動車道の高架橋基礎工に採用するにあたり, 合理的な設計法の確立を目的として, 実物大規模の載荷試験 (鉛直載荷試験2体, 水平載荷試験4体) を実施した. 本報告は, まず鉛直載荷試験によって明らかになった壁基礎の先端支持力と周面摩擦力について述べる. つぎに水平載荷試験結果およびそれをシミュレーションすることによって, 壁基礎の水平方向の設計法に関して検討した結果について述べる.
  • 岡村 俊邦, 吉井 厚志, 福間 博史
    1996 年1996 巻546 号 p. 87-99
    発行日: 1996/09/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    生態系の再生にとって不可欠な自然林の再生法として, 河畔や火山山麓などの変動地帯の自然林の成立過程から, 多種類の在来種のタネの播種とヤナギ類の埋枝工を組み合わせた生態学的混播法を考案し, 堤防や高水敷などの土木事業で自然林が失われたところを対象に実証試験を行った. この結果, 第一段階 (五年程度) の成績として, タネの重量によって導入成績に大きな差があり, 重量級のタネと, 中量級のタネの一部の播種およびヤナギ埋枝工は良好な成績を示した. また, 導入成績の悪かった軽量級のタネや中量級のタネの一部の導入方法として, 複数の1年生ないし2年生の苗からなるポット苗で導入する実生群植栽法と, 播種や小苗の導入に有効な砕石マルチング法を提案した.
  • 草柳 俊二
    1996 年1996 巻546 号 p. 101-112
    発行日: 1996/09/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    本研究は「日本の建設関連企業が国際建設プロジェクトを遂行するために必要なマネジメントシステムの構築」という目的を前提としておこなうものである. 国際事業とは, 本来“他国で行う事業”ではなく“他国と行う事業”であり, 地理的区分で捉えるものではない. その研究には, 自国と他の国々との共通点, 相違点を冷静にみつめ, その内容を深く掘り下げてゆく, 人文的感覚での基礎分析が不可欠なものとなってくる. 国際建設プロジェクトの遂行に日本の文化や社会基盤, 価値観によって生まれたマネジメント特性がいかなる関わりを示すのか, その特性を生かし, 生産性向上を可能にするマネジメントシステムの構築基盤に付いて論ずる.
  • 檜垣 貫司, 岩崎 孝夫, 末岡 徹, 長藤 哲夫
    1996 年1996 巻546 号 p. 113-123
    発行日: 1996/09/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    揮発性有機塩素化合物で汚染された土壌の浄化技術の中で, 透水性地盤に対しては真空抽出工法などが開発されているが, 粘性土地盤に対する有効な対策技術はまだ適切なものがないのが現状である. そこで, 筆者らは生石灰安定工法を汚染された粘性土地盤に適用し, 浄化を試みた. 室内実験で汚染土と生石灰の基本的反応を把握し, 原位置においては, 深層汚染粘性土の浄化を行った. その結果, 深層汚染粘性土m3あたり100~150kgの生石灰を使用し, DJM工法で撹拌・混合することで土中温度を80℃以上に加熱し, 汚染物質を蒸気化し95%以上回収することが可能となった. 対策後の粘性土地盤中の汚染濃度は環境基準以下になっており, また, 回収速度は解析結果と非常によく合うが, 土中温度変化は若干合わなかった.
  • 佐藤 修治, 宮本 晃, 八木 則男, 奥園 誠之
    1996 年1996 巻546 号 p. 125-132
    発行日: 1996/09/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    本論文では, 道路建設に伴う中央構造線直上の断層破砕帯における2カ所の地すべり地の機構を調べ, 対策工の検討を行った. その結果, 中央構造線直上の断層破砕帯の粘性土は, 近傍の地すべり地のすべり面の粘性土と比べてせん断強度が小さい上, 残留強度への低下が著しいことがわかった. これが中央構造線直上の地すべりの対策を困難にしている理由の一つである.
  • 小林 良太, 浜田 純夫, 上田 満
    1996 年1996 巻546 号 p. 133-143
    発行日: 1996/09/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    本研究は, コンクリート副産物より製造した再生骨材を用いた転圧コンクリートの曲げ疲労特性を検討したものであり, まず, 各応力振幅Sにおける破壊までの繰り返し回数Nのばらつきを対数正規分布で近似することにより S-N曲線を求め, これが既存の研究結果より求めた舗装用コンクリートおよび一般の転圧コンクリートの S-N曲線よりも低い値を示すことを確認した. 次に, Weibull 分布関数と McCall 分布関数を用いて生存確率Pに関するS-N曲線すなわち P-S-N曲線を求め, これらから得られる200万回疲労強度について対数正規分布による解析結果との比較を試みた. さらに, 以上の結果をもとに, 再生骨材を使用した転圧コンクリートの舗装への適用についても考察を加えた.
  • 岡林 信行, 田沢 雄二郎, 松川 久俊, 今田 徹
    1996 年1996 巻546 号 p. 145-156
    発行日: 1996/09/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    最大土被り900mに達するトンネル工事において, 土被り400mを越えた区間より著しい支保の変状が生じ始めた. 土被り600m以奥では計画時の標準支保パターンでは更に大きな変状の発生が予想されたため, トンネル支保工に高強度吹付けコンクリートを含む特殊支保パターンを採用した. 採用に当たっては, 計測データを用いた逆解析的な弾塑性解析により地山特性曲線, 土被りごとの変位及び必要支保圧を算定し, それに見合う支保パターンを設定した. これらの適用区間は約1,000mにも及んだ.
    その結果, 中硬岩地質からなる高土被りトンネルにおいても特に大きな変状も無くトンネルを構築でき, 高強度吹付けコンクリートを用いるトンネル支保工に関する設計・施工上の多くの知見を得た.
  • 近藤 仁志, M. Elizabeth Cannon, 清水 則一, 中川 浩二
    1996 年1996 巻546 号 p. 157-168
    発行日: 1996/09/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    建設工事にともなう長大斜面, 露天掘りにおける長大残壁, また, 地すべり地帯などのような大規模な領域において生じる地盤変位を, 経済的にかつ精度よく測定する計測システムの開発が必要である.
    本研究は, 人工衛星を用いる測量システムであるGPS (Global Positioning System) を利用して, 地表面の複数の計測点の変位を, 長期的にかつ自動的に観測できる地盤変位モニタリングシステムを開発することを目的としている. これは, 従来のキネマティック方式による観測方法に基づいているが, ほぼリアルタイムに複数の計測点の変位を同時に連続して得られる点に特徴がある. 本論文は, 開発した計測システムの主要な点と, システムの性能を検証するために行った野外実験結果について述べるものである.
  • 大林 成行, 小島 尚人
    1996 年1996 巻546 号 p. 169-179
    発行日: 1996/09/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    本研究は, 筆者が開発した土地分級評価モデル (潜在因子モデル) への階層化意思決定法 (AHP) 導入の考え方を整理するとともに, 新たな分級評価アルゴリズムを構築したものである. 従来の潜在因子モデルでは, 各種地理情報だけでなく衛星マルチスペクトルデータを融合利用して土地分級評価図を作成できる. 本研究では, 潜在因子モデルで作成される複数の分級評価図をAHPを導入した場合の評価基準として使用した上で, 開発指向側および保全指向側といった2種類の土地利用構想図を定義し, 作成する方法を提案した. さらに, これらの構想図から開発側と保全側の両者の意向を考慮した「相互調整図」を提案している. この相互調整図は「整備・開発または保全の方向性」を示す計画合意形成, 意思決定を支援していく上で有用となることを示している.
  • 関根 悦夫, 鬼頭 誠, 垂水 尚志, 米澤 豊司
    1996 年1996 巻546 号 p. 181-188
    発行日: 1996/09/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    鉄道営業線において, 路盤の支持力が小さい場合には, 路盤噴泥現象を生じたり列車走行時の路盤の変位が大きくなり, 軌道の保守量が増加するために, 軌道保守量の低減を目的として石灰やセメントを用いた安定処理を行う事が多々ある. 安定処理について検討する課題は種々あるが, 最も重要な課題は, 列車の繰返し荷重による耐久性である.
    本論文は, 大型供試体を用いた繰返し載荷試験により安定処理土の列車の繰返し荷重による耐久性を検討したもので, 安定処理土の強度が作用する応力の5倍以上あれば列車の繰返し荷重に対して十分な耐久性があるということを解明した.
  • 和久 昭正, 宮澤 秀治, 吉野 広司, 櫻井 春轄
    1996 年1996 巻546 号 p. 189-198
    発行日: 1996/09/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    本論文は, 高水圧下における土圧式シールドの切羽安定機構の解明のうち, 排土時の止水機精に関する研究成果について報告するものである. 研究は, 掘削土砂排土時のスクリューコンベヤ内の水圧低減状況に着目し, 理論及び模型実験の両面から取り組んだ. 理論的検討では, 高水圧を考慮した理論式を導き, これから安定排土の可否に関する判定式の提案を行った. 実験的検討では、この理論式の検証を行なった. その結果, 実験時の現象と理論解の整合性が認められた.
  • 山田 幹雄, 佐野 博昭, 黒島 一郎, 太田 実
    1996 年1996 巻546 号 p. 199-210
    発行日: 1996/09/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    本研究では, 設計交通量の区分がL, A交通に該当するアスファルト舗装や簡易舗装などの軽交通道路で路床の改良工事をともなう区間を対象として, そこにフライアッシュ・排煙脱硫スラッジ・消石灰混合材料を用いた単一層の路盤を築造した場合の強度, 支持力の経時変化や路面性状の推移を調べた. 試験舗装に先立って室内で実施した動的載荷試験の結果ならびに現場計測の結果から, 混合材料の水分量および締固め度が最適条件に近い状態であれば, このような構造断面を有する舗装であっても沈下や支持力低下に起因する損傷が早期に発生する恐れはなく, また, 交通荷重を分散して路床へ伝達する機能は損なわれないことが確かめられた.
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