揮発性有機塩素化合物で汚染された土壌の浄化技術の中で, 透水性地盤に対しては真空抽出工法などが開発されているが, 粘性土地盤に対する有効な対策技術はまだ適切なものがないのが現状である. そこで, 筆者らは生石灰安定工法を汚染された粘性土地盤に適用し, 浄化を試みた. 室内実験で汚染土と生石灰の基本的反応を把握し, 原位置においては, 深層汚染粘性土の浄化を行った. その結果, 深層汚染粘性土m
3あたり100~150kgの生石灰を使用し, DJM工法で撹拌・混合することで土中温度を80℃以上に加熱し, 汚染物質を蒸気化し95%以上回収することが可能となった. 対策後の粘性土地盤中の汚染濃度は環境基準以下になっており, また, 回収速度は解析結果と非常によく合うが, 土中温度変化は若干合わなかった.
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