生態系の再生にとって不可欠な自然林の再生法として, 河畔や火山山麓などの変動地帯の自然林の成立過程から, 多種類の在来種のタネの播種とヤナギ類の埋枝工を組み合わせた生態学的混播法を考案し, 堤防や高水敷などの土木事業で自然林が失われたところを対象に実証試験を行った. この結果, 第一段階 (五年程度) の成績として, タネの重量によって導入成績に大きな差があり, 重量級のタネと, 中量級のタネの一部の播種およびヤナギ埋枝工は良好な成績を示した. また, 導入成績の悪かった軽量級のタネや中量級のタネの一部の導入方法として, 複数の1年生ないし2年生の苗からなるポット苗で導入する実生群植栽法と, 播種や小苗の導入に有効な砕石マルチング法を提案した.