土木学会論文集
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骨組構造の全体座屈時における部材の安定性について
西野 文雄阿井 正博中野 智文
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1997 年 1997 巻 577 号 p. 17-26

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抄録

全体座屈において, 座屈モードに対する全体接線剛性の2次形式は零値となるが, その節点変位に対する各部材自身の接線剛性の2次形式は正, 負の値をもつのが普通であり, 零値になるとは限らない. 全体座屈とは、混在した安定部材と不安定部材がバランスした状態といえる. このとき, 全体モードよりきまる部材変位がそれぞれの部材の限界状態 (2次形式の零値) となる軸力を, 全体座屈時の軸力とは別に考えることができる. 部材有効長はこの限界軸力に対して定義されるべき量と考えられ, Euler-座屈曲線に対する {限界軸力での有効長, 全体座屈時の実際の軸力} の位置により, 部材の安定状態を明示することができる.

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