抄録
通過交通のあるストリートキャニオンにおける熱収支の実態を把握するために国道246号線において集中観側を行った. また, 通過交通が鉛直乱流混合に与える影響を検討した. その結果, 1) 自動車排熱量は乗用車と普通貨物車に依存しており, 最大で200W/m2に及び, 日平均では日射量を卓越する事, 2) 顕熱の時間変動挙動は純放射量だけでなく, 自動車排熱量にも強く依存している事, 3) 潜熱量が無視し得ない事, 4) シンチレーション法がストリートキャニオンでの顕熱測定に有効である事, 5) 混雑車線が周囲大気に運動量を与えることにより, 鉛直乱流混合に影響を与えている事が明らかになった.