抄録
流動床生物活性炭における活性炭の吸着能が脱窒活性に及ぼす影響を検討した. 有機炭素としてはサッカロースを用いた. また, 脱窒反応に及ぼす吸着能の影響を評価するため非吸着性担体として人工軽量骨材を用いた. その結果, 活性炭および人工軽量骨材への細菌の付着量や蛋白質当りの細菌数がほぼ等しいにも関わらず, 活性炭付着細菌の硝酸および亜硝酸還元速度は人工軽量骨材のそれぞれ1.64倍, 1.45倍であった. また, 同一の生物活性炭反応槽でも付着状態の細菌の脱窒活性が浮遊性細菌および脱離された付着細菌より常に高く, 阻害性がないサッカロースを炭素源とした場合, 活性炭の有機物吸着能は脱窒活性の向上に影響を与えていることか明らかになった.