1998 年 1998 巻 598 号 p. 11-19
3次元充実断面梁の有限変位解析を行うための有限要素定式化を提案する. 本定式化ではディジェネレイション法を採用し, 固体力学の支配方程式を直接解く. 解析対象とするのはティモシェンコ梁であり, その梁理論における仮定は, 離散化を行う過程の中で取り込む. すなわち, 具体的には, 新たな梁要素 (9節点梁要素) の考案とペナルティ法の適用により仮定を取り込んでいる. ティモシェンコ梁理論の仮定を用いると, 一般にせん断剛性が過大評価される. そのため, ここでは, せん断補正係数を構成則に導入する. このような定式化の流れ, およびそれにより得られる有限要素方程式は, 節点変数に回転角を含まないこともあり, 簡潔でわかりやすいものとなっている. 本定式化の妥当性は, 数値計算例により検証する.