抄録
本報告では, 縦リブで補剛された円形鋼製橋脚を対象として, まず縦リブ本数と円筒シェルの半径を変えた6体の実験結果について報告する. 実験方法は, 一定の軸力を作用させながら, 横力として降伏変位を基準とした正負交番1回漸増繰り返し載荷を行っている. 本供試体の崩壊形態は全て象の脚座屈であり, 円周方向への亀裂は見られなかった. しかしながら, 1体の供試体において, 縦リブ溶接線に沿って亀裂が発生し, その一部は母材を貫通していた. 次に, 本実験結果と既往の実験結果および数値解析結果を基に, 板厚変化部を有する円形鋼製橋脚の最高荷重と最高荷重点における変位を推定する新たな方法を提案している. 最高荷重を推定するパラメータは, 変断面橋脚にも適用できるように先に著者らが提案したパラメータを修正している.