1998 年 1998 巻 598 号 p. 381-390
斜張橋やニールセン橋などケーブルを構造要素とする橋梁において, ケーブル張力調整は, 設計時における最適な部材力の決定および架設管理における残留誤差の補正方法として重要である. 著者らはファジイ線形回帰分析を用いた解法を開発し, いくつかの実橋に適用してきた. 本研究では, 満足度の概念を適用することにより, より実用的な方法の開発を試みている. すなわち, 満足度により, 設計者の意図を容易に導入することができるので, ケーブルのプレストレス量および架設段階で必要になるシム量がより実用的な形で決定することができる.