土木学会論文集
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荷重作用下での変位拘束による残留応力とそれにより生ずるクラックの解析
三輪 昌弘長谷部 宣男中島 将貴館 浩司
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1998 年 1998 巻 598 号 p. 391-400

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抄録

荷重作用下で変形を生じている薄板の境界の一部を変位拘束し, その後荷重を変化させたとき生ずる残留応力の問題を岩解く. 解析は, 有理写像関数と複素応力関数による方法で, 外力及び混合境界値問題の解として, 解析的に求まる変位拘束を受けない板の一様曲げの岩解と, 境界の一部に変位拘束を受ける一様曲げの岩解を重ね合わせて残留応力の解を得る. 変位拘束の条件として, 固定境界と単純支持境界の2種類の条件を考える. 残留応力によって変位拘束の端部からクラックが発生した場合の応力分布を求める. また, 残留応力が発生した後に, 更に荷重が作用した一般の荷重のもとでクラック発生のひずみエネルギー解放率を求め, クラックの発生およびその方向を調べる. 変位拘束のない荷重比の付近では, クラック発生角度は急激に変化する. これ以外の荷重比に対しては, ボアソン比が0.25のとき固定境界の場合130°~150°, 単純支持境界の場合150°前後の角度である.

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