1998 年 1998 巻 598 号 p. 401-411
本論文は, 偏平箱桁橋の耐風設計技術への応用を目指すために, 代表的な剥離・付着断面である断面辺長比4の矩形断面を選び, この空力特性を数値流体解析により求めようとするものである. 比較的低いレイノルズ数300~3,000の間で2次元および3次元数値流体解析を行い, 矩形断面まわりの圧力係数および背圧係数に関して, レイノルズ数をパラメータとして, 既存の風洞実験結果も含めて比較を行った. さらに, 剥離流が再付着する流れの状態に関しても, 煙風洞実験結果との比較を行った. その結果, 剥離流の再付着を生ずる断面辺長比を持つ矩形断面の正確な流れと空力特性を数値流体解析で再現する場合は, 3次元数値流体解析が必要であることが判明したので, ここにその結果を報告する.