1999 年 1999 巻 612 号 p. 129-142
積層ゴム支承で支持される多径間連続橋が兵庫県南部地震クラスのレベル2地震動を受けると, 桁掛け違い部で隣接桁どうしが衝突し, 桁重量の数倍の衝突力が生じる可能性がある. 本研究では, 桁間衝突を緩和するためにゴム製緩衝装置を桁端部に設置した場合の, 衝突力の低減効果ならびに桁と橋脚の応答性状の変化について解析的に検討を行った. その結果, 緩衝装置のエネルギー吸収性能はわずかであるものの, 装置を設置することにより衝突力が大きく低減され, また, ひずみ硬化型緩衝装置の方がひずみ軟化型緩衝装置よりも大きな緩衝力を桁間に伝え, 隣接桁の応答変位を均等化するように機能するため, 変位ストッパーとして桁の応答変位を抑える上で適していることが示された.