土木学会論文集
Online ISSN : 1882-7187
Print ISSN : 0289-7806
ISSN-L : 0289-7806
震源・伝播・地点特性を考慮した地震動の位相スペクトルのモデル化
佐藤 忠信室野 剛隆西村 昭彦
著者情報
ジャーナル フリー

1999 年 1999 巻 612 号 p. 201-213

詳細
抄録

構造物の耐震設計を行う上で, 基本的かつ重要な課題は地震動の設定である. 耐震設計用の入力地震動としての時刻歴波形を作成するためには, 振幅特性の他に位相特性を規定する必要がある. しかし, これまでのシミュレーション手法は, 振幅特性に重点がおかれ, 位相スペクトルについてはあまり研究されていないのが現状であった. しかし地震波の非定常性は位相特性と関連し, 震源特性と伝播経路特性における位相の変化特性を把握することが重要と考えられる. 本研究では群遅延時間に着目し, インパルス列の群遅延時間をモデル化するとともに, 最小位相推移関数の概念を用いて伝播経路特性の振幅スペクトルが与えられたときに, その群遅延時間を求める手法を検討した. さらに, この手法を兵庫県南部地震 (1995) および十勝沖地震 (1986) に対して適用しその妥当性を検証した.

著者関連情報
© 社団法人 土木学会
前の記事 次の記事
feedback
Top