抄録
東京湾岸地域に建設されるLNG地下式貯槽について, 高圧ガス保安法でスロッシング検討のために定めた過去の被害地震等に関する時刻歴応答解析を行った. また, この地域で想定される周期10秒までの周期成分を有する速度応答スペクトルを半経験的波形合成法で求め, 既往の設計基準と比較しスロッシング検討用の速度応答スペクトルを示した. さらに, 実貯槽の運転液位データを用いて提案する速度応答スペクトルと現行の高圧ガス保安法の入力地震動について, 安全性の相異を信頼性理論により検討した.
上記結果から, 東京湾岸地域のLNG地下式貯槽 (1次スロッシング周期8~10秒) に対するスロッシング検討用の入力地震動は, 速度応答スペクトル値で180cm/s (減衰定数0.5%) が一つの指標と考えられる.