抄録
本論文は, 若材齢コンクリートの引張クリープ試験を行なって, 応力強度比・載荷材齢・養生および載荷温度の影響について定式化し, それを温度応力状態のクリープ試験結果と比較することにより, その適用性について検討したものである. 影響要因を分析した結果, 応力強度比の影響は大きく, その関係は指数関数で近似されることがわかった. 載荷材齢の影響は, 材齢1日においては見られるが, それ以降は大きな影響が見られなかった. 温度の影響に関して, 高温状態で載荷した場合, クリープが大きくなることがわかった. ここでは, 活性化エネルギーを83.7kJ/molとしアレニウスの式を用いて材齢と温度の関数として定式化した. 実験結果をまとめてクリープ式を構築し, 温度・応力を変化させた状態での実験値と比較した結果, 重ね合わせ法を用いることで概ね実測値をシミュレートできた.