土木学会論文集
Online ISSN : 1882-7187
Print ISSN : 0289-7806
ISSN-L : 0289-7806
1999 巻, 620 号
選択された号の論文の26件中1~26を表示しています
  • 松岡 茂, 益田 彰久, 武田 康司, 土井 至朗
    1999 年1999 巻620 号 p. 1-13
    発行日: 1999/05/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    本研究はひび割れの発生・進展により変形挙動および破壊が支配されるコンクリート構造物の破壊荷重を算定する解析モデルを提案したものである. 提案した解析モデルでは, コンクリート等の脆性材料に発生するひび割れの局所化を考慮することにより, 進展するひび割れを算定している. さらに, ひび割れ面間に伝達している応力とひび割れ開口幅との関係をモデル化することにより, 純引張状態以外で進展するひび割れについても追跡することができる. 提案した解析モデルを用いて既往のRCはり実験を解析した結果, 斜め引張破壊が生じるRCはりのせん断強度を算定することが可能であることを確認した.
  • 岡本 剛治, 峯岸 孝二, 黒田 正信, 渡辺 宗樹
    1999 年1999 巻620 号 p. 15-24
    発行日: 1999/05/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    上載荷重を受ける屋根形式として, ドーム構造が考えられる. ドーム構造は圧縮力が支配的な膜構造で, 鉄筋コンクリート部材に適していると考えられる. しかし, ドーム構造はその形状によっては, 不安定構造となる場合も生じる. しかし, 現状においては, 設計を行う上で鉄筋コンクリート製ドームの構造安定性についての確立された照査方法はない. 本報では, 模型実験, 非線形解析, 既存の方法により設計上有効な照査方法を検討したものである.
  • 細谷 学, 川島 一彦
    1999 年1999 巻620 号 p. 25-42
    発行日: 1999/05/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    既存の鉄筋コンクリート橋脚のじん性を向上させる目的で炭素繊維シート (以下, CFSと呼ぶ) を巻いて補強しようとすると, 不十分とはいえ橋脚には既に帯鉄筋が存在しているため, 橋脚にはCFSと帯鉄筋との両者による横拘束が作用することになる. したがって, CFSによる横拘束効果を地震時保有水平耐力法に基づいた鉄筋コンクリート橋脚の耐震補強設計に反映させるには, 両者による横拘束の共同作用を評価する必要がある. 本研究では, CFSと帯鉄筋の両者で拘束したコンクリート柱の一軸圧縮試験結果に, これまでの著者らの実験データを加えた合計46体の結果に基づいて, CFSと帯鉄筋の両者で拘束したコンクリート柱の応力度~ひずみに影響を与える要因を検討し, さらに, その関係を定式化した.
  • 會田 八重, 吉川 弘道
    1999 年1999 巻620 号 p. 43-54
    発行日: 1999/05/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    マスコンクリート構造物は, 硬化時のセメント水和熱により温度応力を生じ, ひび割れ発生の主要な原因として古くから議論されてきた. 本研究は, 2次元有限要素法により, 非定常温度解析/応力解析/ひび割れ解析の一連の解析を実施するものである. ここでは, 等価エネルギ要素を用いた分布ひび割れモデルを活用するとともに, コンクリートの力学的特性 (引張強度と弾性係数) を距離相関を有する確率場としたことが特徴である.
    無筋マットコンクリート構造を対象とした一連の解析により, 局在的に発生する温度ひび割れを再現することができた. さらに, FEM-Based Monte-Carlo Simulation により, ひび割れ指数によるひび割れ発生確率とひび割れ開口幅を求めるとともに, 土木学会の手法と比較考察し, 興味ある知見が得られた.
  • 堺 孝司, 熊谷 守晃, 若杉 伸一, 下林 清一
    1999 年1999 巻620 号 p. 55-70
    発行日: 1999/05/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    次世代の汎用超耐久性コンクリートの開発に向けて, ビーライト系セメントの粒度や鉱物組成の改質を行い, それらを用いたコンクリートの基本特性について広範な検討を行った. その結果, ビーライト系セメントのこのような改質は, 従来の系と著しく異なる多様な性能のコンクリートの製造が可能であることが明らかになった. 特に, ビーライト系セメントの高微粉末化は, 初期強度および長期強度において優れた特性を有し, 長期耐久性コンクリート用セメントとして大きな可能性があると思われる.
  • 幸左 賢二, 小林 和夫, 安田 扶律, 水田 崇志
    1999 年1999 巻620 号 p. 71-81
    発行日: 1999/05/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    水平載荷試験された実橋RC橋脚, 1/3スケールの大型RC模型実験および被災RC実橋脚を対象に, 修正圧縮場理論によるせん断耐荷力の解析的検討を行い, 実RC橋脚レベルへの適用性を検討した.
    その結果, いずれの解析結果も実験結果と全般的に比較的よく一致すること, また主鉄筋の降伏以降から最大荷重に至るまで, コンクリートの分担せん断抵抗が減少する傾向が認められた. さらに種々の要因分析の結果, 帯鉄筋比によってひびわれ傾斜角が変化することが認められた.
  • 馬庭 秀士, 松本 進, 米盛 司郎
    1999 年1999 巻620 号 p. 83-94
    発行日: 1999/05/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    外ケーブル方式を用いたプレキャストセグメントPC桁は, 軸方向筋が連続配筋されていないため, 継目部に局部変形が集中し, 一体構造桁とは異なる挙動を示す. 本研究では, 外ケーブル方式プレキャストセグメントPC桁の局部変形の影響を実験的に明らかにするとともに, 継目部の局部変形を考慮した解析手法を提案し, 実験結果と比較検討を行った. その結果, 本解析手法を用いることで曲げ性状を終局に至るまで精度良く評価できることが明らかになった. また, 数値解析によりスパン/有効高さ比, デビエータ間隔, 載荷形式, セグメント長, コンクリート強度の各種要因を考慮した終局曲げ耐力の算定式を提案した.
  • 深田 和志, 丸山 久一, 竹中 計行
    1999 年1999 巻620 号 p. 95-107
    発行日: 1999/05/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    本研究は, シールドトンネルの掘削発進部の構造性能として要求される, 立坑掘削時には土圧に抵抗し, 十分な安全性を有するとともに, シールド発進時には容易に切断可能な部材を開発することを目的として, 曲げ抵抗は大きいが容易に切断できるFFU (硬質ウレタン樹脂をガラス長繊維で補強した材料) 部材と鉄筋コンクリート部材との接合方法を検討したものである. 接合方法として機械式接合, アンカー式接合, フレア式接合の3方法を取り上げ, 各々について最適な接合方法を検討するとともに, 接合された複合部材について, 曲げ性状, せん断性状を実験的に検討した. その結果に基づき, 構造性能および経済性の観点から最も優れたアンカー式接合について, 実物大モデルでも確認試験を行い, 実用に十分耐えることを確かめた.
  • 牧 剛史, 魚本 健人
    1999 年1999 巻620 号 p. 109-118
    発行日: 1999/05/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    高品質な吹付けコンクリート施工のために品質評価および管理手法を整備することは, 将来的な需要の増大に向けて急務であると考えられる. 本研究は吹付けコンクリートの品質に大きな影響を及ぼすリバウンドの理論的評価法として2次元個別要素法解析による手法を提案している. 種々の材料条件・施工条件を変化させたパラメトリック解析を行った結果, 既往の実験結果や施工実績における傾向をよく表現しており, 本手法の適用性が確認された.
  • 芦田 公伸, 上田 隆雄, 溝口 茂, 宮川 豊章
    1999 年1999 巻620 号 p. 119-127
    発行日: 1999/05/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    コンクリートの塩害劣化が問題視される中, 電気化学的に脱塩を行う工法, すなわち, デサリネーションが有望な補修工法として注目されている. デサリネーションでは, コンクリート中の鋼材がカソードとして作用し, しかも, その電位が水素発生電位より卑となるため, 鋼材表面での水素の発生が考えられる. そのため, PC鋼材の水素脆化への危惧から, PC構造物への適用が見送られてきた. 本研究では, デサリネーションをPC構造物へ適用したときのPC鋼材への影響について, PC鋼材中に吸蔵される水素量と鋼材の破断面について検討を行った.
  • 竹下 治之, 佐原 晴也, 町田 篤彦
    1999 年1999 巻620 号 p. 129-142
    発行日: 1999/05/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    本報は, 著者らが研究を続けている増粘剤を添加した高流動コンクリートに関して, これまで実施工や実大模型実験などに使用した26の配合を基本に, これまで実施してきた品質管理のための各種の室内実験結果なども考慮して, より実用的な配合設計手法の一提案としてとりまとめたものである. すなわち, これらの各種の実施工データや室内実験データを整理・考察することによって, 具備すべき配合条件の設定内容とその設定に際しての考え方, ならびに単位水量, 水セメント比などの配合設計のための具体的な基準値を提示した. また, 実用の便に供するため, 所要の性状が得られない場合や性状を改善したい場合の配合修正方法を示した. 更に, 本報で述べた手順に従って, 実際に配合設計した例を示した.
  • 24年間供用された実橋床版の輪荷重装置による走行実験
    堀川 都志雄, 加藤 暢彦, 林 秀侃, 園田 恵一郎
    1999 年1999 巻620 号 p. 143-158
    発行日: 1999/05/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    阪神高速道路で約24年間供用された梅田入路の撤去に伴い, 荷重履歴を受けた鉄筋コンクリート床版の残存耐力あるいは疲労余寿命等の調査を主目的に, 主桁ウエブを20cm残した状態で3パネルの床版を桁ごと切り出した後に, 実験室内で耐荷力確認実験ならびに輪荷重装置による走行疲労実験を行った. その結果, 静的押抜きせん断耐力は79tf (774.7kN) 程度であるが, 走行疲労実験を行った供試体では, 輪荷重値11~15tf (107.8~147.1kN) [乾燥状態および湿潤状態] で総走行回数約30×104回の時, 床版が押抜きせん断タイプで陥没・崩壊した. これらのデータについて, 既往の押抜きせん断耐力式やS-N曲線との比較を行い, 床版の損傷度とたわみ等の経時変化との関係を明らかにした. さらに, RC床版の劣化度を示す指標についても言及している.
  • 舌間 孝一郎, 辻 正哲
    1999 年1999 巻620 号 p. 159-173
    発行日: 1999/05/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    現在規定されている帯鉄筋定着補強は, 施工性等で多くの問題が残されている. 一方, 通常地震荷重により二軸曲げ荷重がRC柱に作用すると, 最大縁応力は隅角部に発生し, 隅角部での鋭角フックによる定着では帯鉄筋の機能が低下する可能性は大きい. 本研究は, 二軸曲げ正負交番荷重下でも充分な機能を保持できる, 簡便かつ確実な帯鉄筋定着部の補強方法を提案する. 実験の結果, 今回開発した簡易な帯鉄筋の定着方法により, 示方書に準じた鋭角フックの場合と比較しても同等以上の耐荷力および変形性能が得られることが明らかとなった.
  • 鈴木 基行, 秋山 充良, 山崎 康紀, 松中 亮治
    1999 年1999 巻620 号 p. 175-185
    発行日: 1999/05/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    本研究では, 著者等が先に提案した構造系安全性評価法に基づき, 構造変数間の相関関係を考慮した構造系安全性評価法を構築し, 構造変数間の相関が構造物の安全性に及ぼす影響を検討した. 検討にあたりまず, RC橋脚を対象に, その構造変数間に存在する相関を算定した. そして, この相関の影響を取り入れた場合のRC橋脚の地震時安全性評価を行った. その結果, 構造変数間の相関を考慮することで, 構造物の安全性評価が変化する場合があり, それは, その構造変数間の相関の強さと構造系の安全性を支配している限界状態に左右されることを明らかにした. さらに, 構造変数間の相関を考慮した安全性評価を基に, 耐震設計上考慮すべき点について考察を加えた.
  • 山谷 敦, 中村 光, 檜貝 勇
    1999 年1999 巻620 号 p. 187-199
    発行日: 1999/05/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    回転ひび割れモデルを用い, コンクリートの応力-ひずみ関係に引張側, 圧縮側とも破壊エネルギーを導入した有限要素法解析により, せん断破壊となるRC梁の数値解析を行った. その結果, せん断補強を行わないRC梁に対しては, 斜めひび割れの再現性に問題はあるものの, 斜め引張破壊, せん断圧縮破壊といった破壊モードに関わらず, せん断挙動をある程度の精度で捉えることができた. また, 破壊エネルギーの導入により解析結果の要素寸法依存性を軽減することができ, せん断強度の寸法効果を表現できた. せん断補強筋を有するRC梁の解析では, せん断補強筋の効果を過小評価する傾向が示唆された結果となった.
  • 入矢 桂史郎, 根木 崇文, 服部 達也, 梅原 秀哲
    1999 年1999 巻620 号 p. 201-213
    発行日: 1999/05/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    本論文は, 若材齢コンクリートの引張クリープ試験を行なって, 応力強度比・載荷材齢・養生および載荷温度の影響について定式化し, それを温度応力状態のクリープ試験結果と比較することにより, その適用性について検討したものである. 影響要因を分析した結果, 応力強度比の影響は大きく, その関係は指数関数で近似されることがわかった. 載荷材齢の影響は, 材齢1日においては見られるが, それ以降は大きな影響が見られなかった. 温度の影響に関して, 高温状態で載荷した場合, クリープが大きくなることがわかった. ここでは, 活性化エネルギーを83.7kJ/molとしアレニウスの式を用いて材齢と温度の関数として定式化した. 実験結果をまとめてクリープ式を構築し, 温度・応力を変化させた状態での実験値と比較した結果, 重ね合わせ法を用いることで概ね実測値をシミュレートできた.
  • 別府 万寿博, 香月 智, 石川 信隆, 宮本 文穂
    1999 年1999 巻620 号 p. 215-231
    発行日: 1999/05/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    兵庫県南部地震において鉄筋コンクリート (RC) 橋脚段落し部での破壊が数多くみられたことからRC橋脚段落し部の鋼板巻立て補強が全国的に実施された, 本研究は, まず鋼板巻立て補強が衝撃的上下動に対し有効か否かを検討するため, 鋼板巻立て補強したコンクリート柱供試体に対する衝撃突き上げ実験を行い, 鋼板巻立て補強長さの影響および補強方法の違いについて調べた. 次に, 衝撃突き上げを受けるコンクリート柱供試体の輪切り状ひび割れの発生メカニズムの原因を一質点系モデルを用いて究明した. さらに, 有限要素法を用いて衝撃突き上げを受ける鋼板巻立てコンクリート柱供試体の衝撃応答解析法を開発し, 実験のシミュレーション解析を行うとともに, 鋼板巻立て補強長さについて供試体内部のひずみ分布から解析的に検討を行ったものである.
  • 氏家 勲, 金澤 英樹
    1999 年1999 巻620 号 p. 233-243
    発行日: 1999/05/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    コンクリート構造物の施工時および補修時に生じる打継目は力学的弱点であるとともに, 水・気密性に関しても弱点である. 既往の研究では応力の作用していない状態で打継目の水・気密性が検討されている. 本研究では打継目の処理方法および処理深さを変えて打継目を有するコンクリートを製作し, 持続引張応力および繰返し引張応力が作用した場合の一体型および打継型のコンクリートの透気性状を力学特性とともに調べている. そして, 繰返し引張応力の作用によりコンクリートあるいは打継目に生じるひび割れや剥離を欠陥率で表し, コンクリートの透気係数の増加および弾性係数の低下を欠陥率の観点から検討および評価したものである.
  • 三浦 尚, 岩城 一郎, 板橋 洋房
    1999 年1999 巻620 号 p. 245-255
    発行日: 1999/05/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    本研究は, コンクリート構造物から採取した比較的径の小さいコア側面に鋼製の針を貫入し, 針に作用する荷重と貫入量との関係から, 劣化したコンクリートの圧縮強度や強度分布の推定を試みるものである. 針に作用する荷重と貫入量との間には良好な相関が認められ, これらのデータに統計処理を加えることにより, コンクリートの圧縮強度を推定する指標として十分適用可能であることが明らかになった. また, 凍結融解作用を受けた供試体からコアを採取し, 針貫入試験を行うことにより, 強度分布の推定も可能であることが確認された. さらに, 本試験方法に適した針形状の選定を行うと共に, 針貫入試験装置の全自動化を試みた. 以上の検討結果から, 針貫入試験によるコンクリート構造物の劣化診断は十分に可能であるとの結論に達した.
  • 大下 英吉, 谷口 幸弘
    1999 年1999 巻620 号 p. 257-270
    発行日: 1999/05/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    本研究では, 部分的に水で飽和された多孔質材料としてのコンクリートの破壊エネルギーをどのように捉えるべきであるかについての解析的および実験的検討を行った. まず, 破壊エネルギー基準を導入した水・コンクリート骨格連成解析の構築を行い, 間隙水圧を考慮した有効応力により定義される破壊エネルギーの解析的評価を実施した. そして, コンクリートの破壊性状に及ぼす間隙水圧の影響および間隙水圧が発生する場合のコンクリートの破壊エネルギーに関する実験的評価を実施した.
  • 堀井 雅史, 加藤 清也, 福田 正
    1999 年1999 巻620 号 p. 271-278
    発行日: 1999/05/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    本研究は, 凍結防止剤散布の効率化を支援するための, 冬季道路の舗装路面温度予測モデルの構築を試みたものである. 本研究では, ニューラルネットワークを用いることによって, 3時間後の路面温度予測モデルを構築した. すなわち, 舗装路面温度の時系列的変動を学習させることにより, 3時間後の路面温度をかなりの精度で予測可能であることを示した. この予測モデルを用いることによって, 路面凍結の予測が可能となり, 効率的な凍結防止剤の事前散布が可能となる.
  • 湯山 茂徳, 李 正旺, 大沢 勇, 金原 勲, 影山 和郎
    1999 年1999 巻620 号 p. 279-289
    発行日: 1999/05/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    切欠き付き繊維シート補強コンクリートはり供試体に対して中央点載荷曲げ試験を行い, 検出されるAE信号を解析して, 破壊過程および補強効果を定量的に評価した. モーメントテンソル解析により, 破壊は三つの段階で進行し, 破壊モードは, 切欠き先端付近の小さな領域に発生するクラック, 主クラックの進展, 引張応力側から切欠き先端に向かって45°方向に発生・進展する斜めクラック, さらに補強繊維シートとコンクリート接着界面近くに発生する下部クラックに分類されることが明らかになった. また繊維シート接着による補強効果で, クラック発生荷重, および破壊第一段階の最大荷重が大きく増大することが示された.
  • 大下 英吉
    1999 年1999 巻620 号 p. 291-302
    発行日: 1999/05/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    本研究では, マイクロ或いはマクロレベルにおいて局所的に異なるコンクリートの透水係数をひび割れが存在する状態においても統一的に均質化することのできる詳細なモデルの構築を行うとともに, その適用性を評価した. ひび割れを有するコンクリートは, ひび割れ領域, 非ひび割れ領域からなるものとし, ひび割れ面における動水勾配の不連続性をミクロレベルにおいて考慮することにより透水係数の均質化理論の構築を行った.
  • 秋葉 正一, 栗谷川 裕造, 能町 純雄, 秋山 成興
    1999 年1999 巻620 号 p. 303-314
    発行日: 1999/05/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    本論文は, 低スティフネス状態における初等曲げ理論の適用不可能な形状を有するアスファルト混合物供試体が, 薄いスチール板上にある場合の曲げ試験を想定し, このような2層構造における供試体の2次元弾性解析を実施した結果を述べたものである. 本解析では層境界面における摩擦の影響を考慮した境界条件を設定し, 解析手法の妥当性および解析結果の適用範囲を数値計算により検討した結果, 本解析結果の有用性が確認できた. また, 数値計算結果では, 混合物の弾性的評価を行うために必要不可欠な材料定数の推定を変位の測定結果と変位成分の解析結果を用いて実施する上で, 解析変位に影響を与える供試体形状, 上下境界面の摩擦および上下層の弾性係数比などの基礎情報を得た.
  • 八谷 好高, 殷 建軍
    1999 年1999 巻620 号 p. 315-324
    発行日: 1999/05/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    本論文では, 貧配合コンクリート路盤を有する空港アスファルト舗装の構造設計法について, 試験舗装を用いた開発過程を論じている. まず, 試験舗装の構造的・機能的特性について検討し, その結果として, 貧配合コンクリート路盤の目地部載荷がクリティカルであること, 路盤上の厚いアスファルトコンクリート層とその下方の粒状下層路盤を用いることが構造上有利であることがわかった. 次に, 構造設計時のパラメータについて試験データを逆解析することにより推定し, 実測値と対比することによって検証した. そして, 多層弾性理論を用いて, 目地部載荷, コンクリートの疲労性状等を考慮した構造設計の方針を明らかにし, 最後にその適用性について検討した.
  • 1999 年1999 巻620 号 p. e1
    発行日: 1999年
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
feedback
Top