抄録
藻場は年々, 沿岸域の開発による埋立や水質悪化による成育不良などの理由により減少してきているが, 近年, 藻場基盤を造成する方法が各地で試みられている. しかし, このような藻場造成基盤は基盤材に海藻が着生すると海藻を経由した波力も基盤材へ働くため直接作用する波力のみで設計された基盤材重量では不安定になる可能性がある. 本研究は比重が海水より重くヤシの葉に似たアラメとヤツデの葉に似たカジメおよび気胞を持ち海水より比重が軽いホンダワラを用いて, レイノルズ数が104程度の沈降実験, 105程度の中型造波実験および上限が2×106の実規模大型造波実験により広範囲のレイノルズ数に対する3種類の海藻の抗力係数を明らかにし, 海藻の着生を考慮に入れた藻場造成基盤材の所要重量の設計法について提案した.