抄録
大部分のダム貯水池では静水位の時間変化から流入量が推定されており, 静水位の計測精度が大きく推定流入量に反映する手法となっている. しかし, 実際の水位データは多くのノイズを含んでおり, 静水位の計測や推定を非常に難しくしている. この問題解決のために定山渓ダム貯水池に5点の水位計を設置し, 貯水池の同時水位計測を行った. 本計測から, セイシュ・うなり・水面の風による吹き寄せといった現象を確認した. さらに, 湖面上を吹く風の効果を表わす外力項を有する, 新しい水面振動方程式を誘導・解析することでセイシュ・吹き寄せを同時に考慮した結果を得た. これは実現象を良く表わすものとなった.