1999 年 1999 巻 631 号 p. 481-494
1997年3月から8月にかけて鹿児島県川内市付近を震源とする群発地震が発生した. 串木野基地においても震度5強~6弱をはじめとした揺れを頻繁に記録した. その間岩盤タンク周辺に設置した間隙水圧計測システムにより岩盤水理に関する貴重なデータを連続して取得することができた. 本報告では, 計測点の岩盤状況を照査し, この地震時に得られた間隙水圧の挙動について検討するとともに, 岩盤タンク設置域の地下水系としての挙動について考察を加え, 地震による岩盤水理挙動に関する知見を示した.