抄録
夏季における都市のヒートアイランド現象や道路周辺の熱環境を緩和するためには, 舗装表面温度を低く保つことができる保水性舗装が有効と考えられる. しかし, 冬季には通常のアスファルト舗装と比べ保水性舗装の周辺が冷熱環境にならないか, 凍結しやすく交通安全上の問題はないかといった点を明らかにするため, 屋外の舗装サンプルを用い冬季の舗装温度や日射量, 赤外放射量などを連続して測定した. その結果, 熱放射環境の観点から保水性舗装は通常のアスファルト舗装とほぼ変わらず, 冷熱環境とはならないことが分かった. また, 夜間から早朝にかけての路面温度は, 通常の舗装が氷点以下になっても, 保水性舗装は0℃付近を長く保っているという結果も得られた.