抄録
斜張橋は, 設計・製作・架設等に関わる様々な誤差のために, 架設時にケーブルの張力および桁・塔の形状 (キャンバー) に誤差が生じる. このため, シムプレート (その板厚は離散量で与えられる) をケーブル定着部に挿入または除去することによりこれらの誤差を除去している. 本論文では, ファジィ理論と遺伝的アルゴリズムを応用して, 従来の理論では連続量として扱われてきたシム量を, 現場技術者に有用な離散量として扱い, ケーブル調整箇所の低減も同時に行うことのできる方法を開発した. そして, パラメトリックな検討および実橋に近い数値計算例により本方法の有効性を示した.