抄録
本論文では, 大阪府下・寝屋川流域に設置される治水施設に着目して, 将来における新規の都市活動用水源確保ならびに治水施設の有効活用の方策を検討した. まず最初に対象流域の季節別降雨特性や大阪府が策定した計画による治水効果を定量的に評価した. 次にこれらの結果を考慮して, 治水施設の有効活用として時間最大降雨量30 (mm/時間) 以下の降雨を対象に雨水を積極的に貯留し, この貯留水を新規都市活動用水源として有効活用することを想定し, その方策を提案・検討した. その結果, 治水機能を確保しつつも, 都市活動用水の一部を供給する利水施設として治水施設が機能しうることを明らかにした.