抄録
Lamb の板の波動伝播の弾性論解に含まれる変位場を基にして, 充実長方形断面はりの運動方程式を誘導し, 位相速度曲線の一致を確認した. この式中に含まれる動的断面2次モーメントや断面積などの断面諸量と周波数の関係を調べた. 無限長のはりあるいは板などの媒質を伝わる弾性波の第1次モードは, 周波数無限大において等しく Rayleigh 表面波に収束する. この事実から, 半無限体に対しても Rayleigh 表面波の動的断面2次半径を定義できることを示し, Poisson 材料において, それが静的な断面2次半径の7割弱ほどの値に低減する事を証明した. さらに第2次以上のモードではこの動的断面2次半径は周波数無限大の極限で零となり, 高次モードが媒質から消失する物理的事実とも対応することを証明した.