2001 年 2001 巻 667 号 p. 15-31
我が国は鉄道の特性に着目し, 社会経済の発展を支える重要な社会基盤としての役割を十分に果たすことを期待して開発途上国鉄道の改善に多大の政府開発援助を行ってきた. 開発途上国鉄道の多くは我が国の期待に必ずしも十分応えるものではなく, 鉄道本来の役割を十分発揮していない状況にある. 本研究では, こうした現状認識に立って, 我が国政府開発援助が開発途上国鉄道にどのように貢献してきたかその現状と問題点を把握した上で, 開発途上国鉄道の現状を定量的に把握する手法を開発し, 更に, この開発効率性向上のための対策を立て, 政府開発援助の具体的な改善策を提案している.