抄録
トンネル支保構造物の設計では, 設計条件を把握することが難しく, また, 用いられる支保工の作用機構が必ずしも明確になっていないため, 経験的な手法や施工中の計測によって設計を確定していくなど特殊な方法が用いられる. 従って, 多くの場面で技術的な判断を迫られることになるが, 判断の基礎はトンネルの安定や支保工の働き方に対する考え方と経験である. しかし, これらについては時代とともに変化し, また, 現状においても統一的な考え方が存在するわけではない. 本論文では, 各支保工の特徴を検討し, 各種の制約条件の中で各支保工を組み合わせて支保構造物を設計, 選択するときの考え方と問題点を明らかにする.