明石海峡大橋ケーブルの防食方法として, ケーブル内部に乾燥空気を送り込み, 内部水を強制的に排除させる送気乾燥システムを世界で初めて適用した. 本システムの導入に際し, 乾燥空気を送気した小型ケーブル試験体の腐食試験結果を, 送気しなかった試験体と比較することにより, 送気乾燥システムの防食効果を確認した. さらに, ケーブル試験体から除湿された水分を計測することにより, 内部水が除湿されるプロセスを定量的に把握し, 除湿メカニズムを明確にした. また, 湿度および付着塩分が亜鉛メッキ鋼線の腐食におよぼす影響を室内実験により調査し, 送気システムによる亜鉛メッキ鋼線の耐久寿命を推定した. その結果, ケーブル内を相対湿度60%以内に保てば, きわめて長期の耐久性が得られることを見い出した.
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