抄録
近年, 国内のシールドトンネルの工事において, ほぞ付きセグメントを適用する事例が増えつつあるが, これまでのところ, 実際に施工されたほぞ付きセグメントの挙動を詳細に把握した事例は少ない. 本研究は, 実施工されたほぞ付きセグメントに対して現場計測を実施して実際の挙動を把握した後, 種々の解析を行い, 現行の設計計算法の妥当性について評価し, 考察を行ったものである.その結果, (1) セグメント本体に発生する曲げモーメントは「はり-ばねモデル」により解析可能であるが, セグメント継手の回転ばね定数をゼロとすることにより安全側の結果を得ること. (2) 設計基準に示される各種補強筋に対する設計照査式はほぼ妥当なものであるが, 割裂補強筋の照査においては作用荷重の継手面における偏心を考慮する補正係数の導入が必要なことなどが確認された.