抄録
高力ボルト摩擦接合継手の設計法・施工法に関する種々の検討は, 実務施工に関連してその都度実施されてきたが, 道路橋示方書の規定を満たすことの確認に止まり, 合理化に向けての系統的な検討は行われてこなかった. 最近, 鋼橋の合理化設計に関連して, 高力ボルト摩擦接合継手の設計の良否が鋼橋の経済性に大きな影響を与えることが認識され, 継手の設計法の見なおしを目的とした研究が行われるようになってきた. 本稿では最近10年間における高力ボルト摩擦接合継手に関する研究動向を概観し, 設計法の合理化に向けての方向性を提言する.