2001 年 2001 巻 675 号 p. 313-330
橋軸方向地震力を受ける逆L形橋脚では, その非対称性より, 脚柱頂部に水平力とともにねじりモーメントが作用すると考えて, 復元力特性が検討されている. しかしながら, 高架橋全体をシステムとしてとらえると, 2個の不動ヒンジ支承で上部構主桁が逆L形橋脚の横ばり上で支持されていることと, 主桁の水平面内曲げ剛性が非常に大きいことにより, 橋軸方向地震力に対して橋脚柱のねじれはかなり拘束されることが判明した. したがって, 逆L形単一橋脚モデルとしては橋脚横ばりの水平面内回転を拘束したモデルの精度がよい. さらに, 横ばり剛性が大きい場合はT形単一橋脚モデルでも十分である. ここでは, 最大応答変位算定における上記2種類の単一橋脚モデルの精度評価式ならびに, 構造上重要な2個の不動ヒンジ支承の反力算定式も示した.