2001 年 2001 巻 682 号 p. 289-298
コンクリート構造物の損傷・劣化に伴う補修は, 力学的観点からその補修時期が決定されてきた. しかし, 公共構造物の場合には, 日常その構造物を利用したり, 目にする一般住民の持つ感覚と技術的な判断との間の差が大きければ, いたずらに不安を与える一因となる. 公共構造物であるからこそ, 純粋な工学的・力学的な判断ではなく, その外観から利用者に与える心理的影響に基づく補修時期の決定が必要ではないかという命題の下に, 段階的な劣化画像に対するアンケート調査を通して検討を行った.