2001 年 2001 巻 682 号 p. 415-420
兵庫県南部地震では, それまであまり目立った被害が見られなかったトンネルに被害が生じた. 神戸高速鉄道大開駅もその一例で, 土被りを支える中柱が破壊したことによりトンネルが崩壊した. このような被害を免れるためには, トンネル中柱を免震化することが一つの解決策で, 大きな上載土圧を支えながら, 回転に対してのフレキシビリティーを有する免震装置を用いることで中柱に作用する地震時の応力を低減することが期待される. 本研究では, ゴムと鋼板を用いて要求性能を満足する免震装置の形態について検討した結果, ゴムを円弧状の鋼板で左右から挟み込んだ鼓状の免震装置が一つの可能な形態であることを見出した. また, この免震装置は上載荷重に対する依存性が小さいこともわかった.