2001 年 2001 巻 687 号 p. 233-247
大型重機により現場転圧された粗粒材料の高応力下での圧縮性状について検討を加えた. フィルダムロックゾーンの築堤時実測沈下データを整理し, 大型ダムのような高応力下では転圧された粗粒材料が弾塑性的な圧縮変形挙動をとること, 圧縮変形量が粒子サイズ, 粒度分布, 間隙比などの影響を受けて変化することを明らかにした. 実堤体の材料定数を, 供試体の粒子サイズに制約を設けた室内試験結果によって直接評価できないことを指摘し, 現場材料と室内供試体の材料粒度の違いに関する変形パラメータの補正方法を示した後, これを用いてあるロックフィルダムの築堤, 湛水工程を再現した応力変形解析を実施した. 解析結果は実測値と概ね良好な一致を示し, 提案手法の実務レベルでの適用性が確認された.